禁止改訂紛争

何か新セット発売前に紛争起きてて草

当然ですが今回の禁止改訂の話です。
特にスタンの禁止改訂は約5年振りとのことで、記念に何か書いとこうかな〜と。

モダンについては妥当だと思うので特に言いたいことはなし。
ギタ調はオールインコンボデッキ助長の元凶だったので個人的には嬉しい位。
持ってるデッキ3つ死んだがな。
墓トロールは2回も昇天できて本望だろう。俺のドレッジも死んだぞ。


問題はスタン。
個人的には期待と不安とガッカリ感がそれぞれ3割位な感じ。
思ったことをつらつらと書いてみる。

まず、スタンダードをプレイしているプレイヤーには色々な層がいる。
大きく分けるとしたら以下の3つになるだろう。
A）ほぼ全てのカードを揃えるスタンメインのプレイヤーや競技マジックプレイヤー。
B）月に3、4回遊ぶ程度でスタンのデッキは一応一つか二つ持っているプレイヤー。
C）最近MTGを始めてカードを集め始めた新規プレイヤー。

今回の禁止改訂でスタンダードの多様性は確かに広がると思う。
A）の人たちはきっと喜ぶだろう。2ターン目にコプター置けるかどうかが鍵を握るゲームを何回もやったり、何十回もエムラクールに操られてボロボロにされて死ぬのは確かにつまらない。反射ハゲは4マナ以上のETB持っていないほとんどの生物をプレイする価値のないものにしていたし、プロプレイヤーが禁止を妥当だと言っているのも頷ける。これで今まで使われなかった色々なカードにもきっと陽の目が当たるに違いない。

でもそれらのカードを「禁止」以外の方法で何とかできなかったのか、という点に個人的には問題というか危機感を感じざるを得ない。
B）やC）のプレイヤーは今回の件で少なからずMTGから離れることが予想できるからだ。（これについては禁止カード単体についてよりもスタンに対する不安感が大きな要因になるだろうが）
というか、過去の禁止カードに比べたら「禁止するほどのKP？環境支配率？」「スタンの禁止処置を軽く見すぎていない？」というのが本音かもしれない。
仮に1年前に集合する中隊が禁止されていたとして、その時に抱いたはずの感情とは別のものがあるのは確かだ。

色々と思うところはある。稲妻の一撃や破滅の刃などのレベルのインスタント軽量除去が環境に十分あったとしたらコプターは禁止されなかったのではないか？漁る軟泥レベルとまではいわなくてもエムラ対策になる墓地に干渉できるプレイアブルなカードを何故頑なまでに収録しなかったのか。
確かに開発は発売の大分前に終わっているし、開発チームが何万人もいるプレイヤー人口を完全に満足させるのも、将来のスタン環境を正確に予測するのも不可能なのはわかっている。
ただ、最近のスタンダードからはデベロップの方向性の歪みを感じざるを得ない。生物で殴り合わせたい。PWをセットの目玉にして使わせたい。あからさまに使うべき新システムの強カードを刷り、それらの対策カードは刷らないようにする。
今回の禁止改訂の声明を読んでも内容が何というか、軽い。ゲームをつまらなくするから禁止にした、というのは建前で、今回の禁止カードを環境から消さないと霊気紛争のカードが活躍出来ない（＝売れない）とも読み取れてしまうほどの軽さ（ある意味デベロップの甘さ）を個人的には感じた位だ。
強いことがわかっているカードの対策カードは次のエキスパンションに準備する。対処が難しい単純な強カード（今回のコプターやエムラのようなコストに対して異常な除去耐性持ち）はなるべく作らないようにする。
これだけでスタンはもっと健全になると思うが違うだろうか。
スタンダードをつまらないと感じる人が増えたのは、昔と比べて行き過ぎたゲームデザインありきのデベロップの方向性にあるように思う。

変更を撤回したスタンのローテの話といい、最近のWoCの迷走っぷりには不安を強く感じてしまう。
禁止改訂発表についての時期についてもそうだ。そもそも新セット発売直前に禁止改訂があった違和感は別にしても、今回それを今後変更するとしておきながら、何故変更前に大量の禁止カードを出したのだろうか。コプター対策は霊気紛争にあるはずではなかったのか？まだ様子見では駄目だったのだろうか？やはりこのままだと霊気紛争が売れない可能性が高いことがわかったためではないかと勘繰ってしまう。
今回の件でB）やC）の層のプレイヤー人口は例え減るとしても、A）の層を増やそうという狙いなのだろうか。ただでさえ使える期間が短いスタンのカードに対して禁止処置を行ってまでも？これからも禁止カードが軽々と発表される不安を感じながらMTGをしなければならなくなるのだろうか。「全てのカードを持っていれば、例え禁止改訂があっても新しいベストなデッキを作れるよ」「あぁ確かにそうだ。」

禁止処置はつまりそのカードは在るべきではなかった＝商品の欠陥を意味する最も重たいデベロップ上の失敗だと個人的には考えている。
確かに強いデッキを持つことにリスクがあるのはしょうがないかもしれない。
ただいきなり禁止するのはプレイヤーの信用を無くす行為に他ならないと思う。
MTGはナーフで調整可能なデジタルのゲームではない。
プレイヤー離れを防ぐためにもB）やC）のプレイヤーにとって何か救済処置があった方が良いようにに思う。
危険度監視リストみたいなものがあってもいいかもしれない。
また、新セットのカードを使わせたいなら完全な使用禁止カードを出すのではなく、危険カードの禁止期間を設ける方法もあるのではないか？今回の3枚についても霊気紛争発売1ヶ月間は禁止みたいな。そうしたら発売直後は新しいカードを試す幅も広がるし、禁止カードが戻ってからメタも動いてプレイヤーは退屈せずに済むだろう。
今回、声明に記述があった「禁止改訂時期を増やすこと」は読み取り方によっては上記のことを実現可能に思わせる（とりあえず禁止→解禁）が、「禁止カードを増やすことで環境の膠着を崩す」スタンスを公にしたとも受け取れる。
僕はB）のプレイヤーなので個人的には後者でないことを祈るのみだ。

今回の禁止改訂については色々な意見があると思う。英断だと評価する人もいれば、ユーザーの信用を失う行為だと思う人もいるだろう。
個人的にはそれでいいと思う。MTGというコンテンツにまだまだ魅力がある証拠でもあるし、誰も意見を発さなくなってしまったらその時がコンテンツとしての本当の終末なのだから。

だからこそWoCにはユーザーを大事にして欲しいし、ユーザーが納得できる方向性でMTG開発を続けて行ってほしいと個人的には願ってやまない。


…とまぁ、大分愚痴っぽくなってしまった部分もあるが、個人的にはスタンをやめる気はありません。
今は考えていた新環境のデッキが使えなくなってしまったため、早速新しいデッキを試しているし、全く新しいデッキを考えることはやはりとても楽しいしね。

ただ目の前の紙切れになってしまったフォイルを含むコプター13枚と2日前に4枚目を買ったばかりのエムラクールを見ていると悲しくなってくるだけ…

あぁ、新年一発目がとんだメシマズ日記になってしまったよ、とほほ…